とりま文系歯科医師が自己投資。

読書好きな開成、一橋大卒文系出身歯科医師のマイペースブログ。読書を中心に学んだ知識をアウトプットすることで、何か社会が少しでも変わればなと思い開設。好きなテーマは小説全般、世界史、経済学、心理学、経済投資など。筋トレも趣味です。

読書感想

読書感想『盤上の向日葵』 上巻 下巻

―将棋のセンスがいいだけの者は、どこにでもいる。一流と二流の差は、先を読む力だ。何手先まで正確に読めるか、それがプロになるかどうかの別れ道になる。 盤上の向日葵(上) (中公文庫) 作者:柚月裕子 中央公論新社 Amazon 盤上の向日葵(下) (中公文庫)…

読書感想:『アルツ村』

書店で目に留まり、購入した本。 めっちゃ面白くて一気読みしてしまいました。 アルツ村 閉ざされた楽園 (講談社文庫) 作者:南杏子 講談社 Amazon 著者は現役内科医師の南杏子氏。 夫のDVから逃げ出すため、札幌の自宅を飛び出した主人公。命からがら逃げだ…

読書感想:『生きる言葉』

―言葉から言葉をつむぐだけなら、たとえばAIにだってできるだろう。心から言葉をつむぐとき、歌は命を持つのだと感じる。 これは以前も読書感想に書いた、俵万智氏の『アボカドの種』という短歌集で書かれていたものである。 booklovers45.hatenablog.jp 生…

読書感想:『君と考える戦争のない未来』

―人間社会に同等の進歩がないまま技術が進歩すれば、私たちは破滅するでしょう。原子の分裂を可能にした科学の革命には、倫理的な革命も必要なのです。 池上彰氏著『君と考える戦争のない未来』には、巻末に、バラク・オバマ元米国大統領の広島平和記念公園…

読書感想:『針女』

その年において、何か集中的に読みたくなる作家さんっていたりする。いわゆるマイブームなのであろうか。 2025年のこの年は、有吉佐和子氏の著書をよく読んでいます。 (『青い壺』、『非色』など) 針女 (河出文庫) 作者:有吉佐和子 河出書房新社 Amazon 今回…

読書感想:『人生は投資である』

久しぶりに落ちついて家で読書をしました。 投資に関する本を書店で探していたのですが、その時に目にしたのが、福井尚和氏の 『人生は投資である』 という本でした。 人生は投資である 起業家・経営者そして資本主義社会を生きるすべての人々へ 作者:福井 …

読書感想:『忙しさ幻想』

厚労省のデータでは、1973年から2023年の50年間で、労働者一人あたりの年間総実労働時間は約400時間も減少している。 にもかかわらず、現代人はますます忙しさを感じています。 なぜ、人間は、『忙しさ』を感じるのか、その『忙しさ』との向き合い方を考える…

読書感想:『灰の劇場』

一緒に暮らしていた女性二人が自殺を図ったという、何気ない三面記事を、ずっと心の中の『棘』として刺さり続けていた、小説家デビューした主人公。 数十年後、またその記事を目にした主人公は、それをもとに脚本を描こうとする。 灰の劇場 (河出文庫) 作者:…

読書感想:『夜の道標』

―優しく、思いやりがあって、けれど自分が想像できる範囲内で思いやることの乱暴さに気づくほどには優しくない。 本当に相手を思いやっているわけではなく、相手を思いやる自分でいるために言葉を投げるから、投げかけた先のことは想像していない。(P.89) 今…

読書感想:『男子の本懐』

以前から、読みたいなと思っていた経済小説を読みました。 今回ご紹介する小説は、城山三郎氏著 『男子の本懐』 という本です。 男子の本懐(新潮文庫) 作者:城山三郎 新潮社 Amazon 尊敬する政治家の一人である、金輸出解禁に生命をかけた浜口雄幸総理と、…

読書感想:『忘れられた巨人』

最近小説を読む時間が絶望的に減少している気がします。 なんとか時間を見つけて本を読みたいと思うのですが、電車の中でも結局仕事で疲れちゃって、ウトウトしてしまう。 電車の中でも、本を読んでいる人がかなり少なくなった気がします。 間が空いたとして…

読書感想:『楊令伝』第十四章、第十五章(最終章)

自分が現在継続して読み続けている、北方謙三氏の『楊令伝』を、ついに読み終えました。 北方謙三 文庫版 楊令伝 完結BOX 全15巻+読本 16冊セット (集英社文庫) 作者:北方 謙三 集英社 Amazon 『楊令伝』は前作『水滸伝』に引き続き、『岳飛伝』へと繋がる、…

読書感想『平等について、いま話したいこと』

欧米を代表する超有名な知識人、マイケル・サンデル氏とトマ・ピケティ氏。その2人の対談本だということで、書店ですぐに目を惹かれ購入しました。 平等について、いま話したいこと 作者:トマ ピケティ,マイケル サンデル 早川書房 Amazon 本書は、日本だけ…

読書感想:『ペッパーズ・ゴースト』

―物事の受け取り方は人によって違うし、何通りもある。 本年もどうぞよろしくお願いします。マイペースに読書を続けていきたいと思います。 今年最初の読書感想は、昔から読ませていただいている、伊坂幸太郎氏の作品、 『ペッパーズ・ゴースト』 という作品…

読書感想:『神様の暇つぶし』

―みんな自分の恋愛だけがきれいなんだよ。 父親を事故で無くした大学生の女子が、父親よりも年上の写真家の男と出逢い、時間を共にする中で、自分の中で想定もしていなかった感情が込み上げ、次第に惹かれていくお話。 神様の暇つぶし (文春文庫) 作者:千早 …

読書感想:『六人の噓つきな大学生』

明日(2024年11月22日(金))映画化される作品になります。 映画を観る前に、小説で読んでみようと思って買った小説なのですが、あまりに面白すぎて、どんどんページを進めてしまいました。 以前自分も通った道の就活の時のことを思い出しましたが、作品として…

読書感想:『石橋湛山を語る』

更新がだいぶ遅くなってしまいました。 最近読書から遠ざかっていたのですが、またゆっくりマイペースに読書習慣を継続していきたいと思います。 ついこの間、日本では衆議院総選挙が行われましたが、現代の日本の政治をしっかり見据えるために、自分の思想…

読書感想:『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』

書店で目に留まり、『ギクッ』と思って購入した本。 なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) 作者:三宅香帆 集英社 Amazon 自分も含めてなのですが、明らかに現代人は、本を読まなくなったのではないかな、と思います。 自分が学生の頃は、電車…

読書感想:『夜間飛行』

古典の小説は、定期的に読もうと思っています。 よくお世話になっているのが、光文社古典新訳文庫ですが、今回ご紹介するのは、サン=テグジュペリの著作、 『夜間飛行』 という小説。 夜間飛行 (光文社古典新訳文庫) 作者:サン=テグジュペリ 光文社 Amazon…

読書感想:『ガザとは何か』

ガザを改めて学ぶ上で、とても勉強になる一冊です。 ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義 作者:岡真理 大和書房 Amazon 2023年10月7日の、ハマス主導のガザのパレスチナ戦闘員による奇襲攻撃に対して、イスラエルによる未曽有のジェノサイド攻撃が…

読書感想:『はじめての短歌』

SNSばかり入りびたると、心身の調子が悪くなる感じがします。 デジタルデトックスではないけれども、スマホをいじるのから少し離れ、紙媒体の本を読むということも、健康維持の一つと考えています。 また、下手の横好きではあるけれども、『短歌を作ってみる…

読書感想:『人間そっくり』

2024年の今年は安部公房生誕100年。 今回も、まさに安部文学と言えるような作品を鑑賞。 今回の小説は、 『人間そっくり』 というSF小説。 人間そっくり(新潮文庫) 作者:安部公房 新潮社 Amazon 〈こんにちは火星人〉というラジオ番組の脚本家のところに、…

読書感想:『カンガルー・ノート』

安部公房氏が生誕して100年の2024年。 本日ご紹介するのは、安部公房氏が完成させた最後の長編とされる、 『カンガルー・ノート』 カンガルー・ノート(新潮文庫) 作者:安部公房 新潮社 Amazon ある日突然、自分の脛に〈かいわれ大根〉が生えているのに気づ…

読書感想:『本心』

―何のために存在しているのか?その理由を考えることで、確かに人は、自分の人生を模索する。僕だって、それを考えている。けれども、この問いかけには、言葉を見つけられずに口籠ってしまう人を燻り出し、恥じ入らせ、生を断念するように促す人殺しの考えが…

読書感想:『続 まんが パレスチナ問題』

現在深刻な状態になっている、パレスチナ問題。 戦闘員でない無防備の一般市民が殺され、何としても早急に即時停戦が望まれています。 今回紹介する 『続 まんが パレスチナ問題』 は、今から10年弱近く前の新書ではあるのですが、現在のパレスチナ問題を理…

読書感想:『無関係な死/時の崖』

20世紀の混沌を縦横無尽に漕ぎ渡り、人間と社会をめぐって、深い洞察の言葉を紡ぎつづけた安部公房。 その作品世界は、悪夢のようでありながら笑いに満ち、悲惨でありながら生のエネルギーに溢れています。(芸術新潮2024年3月号参照) 2024年の今年は、安部公…

読書感想:『アボカドの種』

『言の葉をついと咥えて飛んでゆく小さき青き鳥を忘れず』 当時の時事ニュースでも取り上げられた、俵万智氏の短歌。 イーロンマスクがTwitterをXに名称変更した際、その時に詠んだ短歌。 初めて目にしたとき、思わず声を出して唸ってしまいました。本当に天…

読書感想:『非色』

こんなにも衝撃的で、感動した作品だとは思いませんでした。 間違いなく、自分の中での印象に残った傑作です。 今回ご紹介するのは、前回に引き続き、有吉佐和子氏の 『非色』 という小説。 非色 (河出文庫) 作者:有吉佐和子 河出書房新社 Amazon 物語は、終…

読書感想:『青い壺』

また名作に出逢いました。 2024年に、没後40年を迎える作家、有吉佐和子氏。 その有吉氏の幻の長編小説が、奇跡の復刊を遂げたということで書店でフェアをやっており、気になって手にしたのが、今回紹介する、 『青い壺』 という小説でした。 新装版 青い壺 …

読書感想:『悲しみのなかの真実 石牟礼道子 苦海浄土』

近現代の文学は、作者がいて作品がある、というのが一般的である。 しかし、今回紹介する作品は、それとは異なる意味がある。 石牟礼道子氏が著した作品、 『苦海浄土』 は、水俣病の患者たちが本当の語り手だと、石牟礼氏は述べる。 水俣病の患者たちは、言…

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