とりま文系歯科医師が自己投資。

読書好きな開成、一橋大卒文系出身歯科医師のマイペースブログ。読書を中心に学んだ知識をアウトプットすることで、何か社会が少しでも変わればなと思い開設。好きなテーマは小説全般、世界史、経済学、心理学、経済投資など。筋トレも趣味です。

読書感想:『生きづらさについて考える』

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

 どうして今の若い人たちは、こんな政治の現状に抵抗しないのだろうか。

 現状政治の全てを否定するわけではないが、ここまで自分達に不利になるような状況の中で、なぜもっと若い世代の人々は、政治に怒りを持たないのだろうとは、私も強く感じています。

 

その理由は、彼らが、

空虚感を抱えたイエスマン

だからと、内田樹氏は本書で述べています。

 

 この『空虚感』というのがミソなのだろう。『虚しい…』と言いながら、現状を追認し、長いものに巻かれ、大樹の陰に寄るのは、むしろクールでスマートな生き方なのだ。そうした反応を、現代の若者は持っているのだと内田氏は分析する。

 

 

 社会のシステムは劣化し続けているが、このシステムの中以外に生きる場所が無い以上、その『劣化したシステムに最適化してみせる』他に、どうしようがあるというのか。

 そう暗い眼をしてうそぶく『虚無的な』青年は、上にヘラヘラもみ手するイエスマンよりも、だいぶ見栄えが良い。

 

 口角泡を飛ばしてシステムに正面から抗っている愚直な『左翼』や『リベラル』や『人権派』より、そんな『虚無的な』方が数段賢そうに見える。

 だったら、そっちの方がいいと、『虚無感を抱えたイエスマン』になる。

 

 

 本書は、内田氏が様々な媒体に書いたエッセイの、コンビレーション本。時事的に少し古いものもありますが、ピンとくるエッセイは必ずあると思います。

 そうしたピンとくるエッセイに出逢うのも、非常に面白いものだと思います。

Copyright ©とりま文系歯科医師が自己投資。 All rights reserved.

プライバシーポリシー