とりま文系歯科医師が自己投資。

読書好きな開成、一橋大卒文系出身歯科医師のマイペースブログ。読書を中心に学んだ知識をアウトプットすることで、何か社会が少しでも変わればなと思い開設。好きなテーマは小説全般、世界史、経済学、心理学、経済投資など。筋トレも趣味です。

歴史

読書感想:『非色』

こんなにも衝撃的で、感動した作品だとは思いませんでした。 間違いなく、自分の中での印象に残った傑作です。 今回ご紹介するのは、前回に引き続き、有吉佐和子氏の 『非色』 という小説。 非色 (河出文庫) 作者:有吉佐和子 河出書房新社 Amazon 物語は、終…

読書感想:『悲しみのなかの真実 石牟礼道子 苦海浄土』

近現代の文学は、作者がいて作品がある、というのが一般的である。 しかし、今回紹介する作品は、それとは異なる意味がある。 石牟礼道子氏が著した作品、 『苦海浄土』 は、水俣病の患者たちが本当の語り手だと、石牟礼氏は述べる。 水俣病の患者たちは、言…

国立新美術館のテート美術館展に行ってきました。

お疲れ様です、スナフキンです。 本日は有休をいただきまして、少しゆっくり気分転換しようと思い、都心で遊んできました。 都内の美術館は、月曜日が休館日のことが結構多いのですが、六本木にある国立新美術館は本日開館していたので、そちらのほうに伺っ…

読書感想:『100分de名著 ボーヴォワール 老い』

NHKテキストの『100分de名著』シリーズは、読みたいものが非常に多いです。 今回紹介する、ボーヴォワールの 『老い』 は、邦訳で二段組の上下巻、総ページは700ページ超という大著なのですが、上野千鶴子氏がとても分かりやすく解説してくださっています。 …

読書感想:『動物農場』

最近色々とドタバタしていて、読書はしてはいるのですが、読書感想を書くペースがおざなり勝ちになっているスナフキンです。 今回は、ディストピア小説で有名な、ジョージ・オーウェルの作品で、代表作『一九八四年』と並ぶ、もう一つの代表作をご紹介したい…

読書感想:『経済は地理から学べ!』

文系で大学受験をした時、好きだった教科が、世界史と地理でした。 どっちがより好き、と言うわけではなく、本当にどっちも好きで、それぞれの教科を学べば学ぶほど、互いに知識が相互連関し、より社会に対する理解が深まっていったのがとても楽しかった記憶…

読書感想:『遠い山なみの光』

目まぐるしく変化する激動の世界において、自分と世の中の関係性が上手く分からない、またそこまで言語化することは無いにしても、漠然と未来の世界にぼんやりとした気持ちを持つことはあると思います。 今回紹介する、ノーベル文学賞作家、カズオ・イシグロ…

読書感想:『中学生から知りたいウクライナのこと』

『歴史がくり返してきた重要な問題のひとつは、たとえば日本のような戦場から離れた国に住む人びとの、当事者意識の減退と、関心の低下、そして倦怠ではないか、つまり「胸の痛み」が持続しないことではないか、ということです。(P.3)』 理解を深めるのに、…

読書感想:『今を生きる思想 ショーペンハウアー 欲望にまみれた世界を生き抜く』

お疲れ様です、スナフキンです。 個人的に、自分の人生の羅針盤としている偉大な哲学者は何人かいるのですが、今回はその中でも特に人間味があって大好きな、ショーペンハウアーの解説書に関してご紹介したいと思います。 今を生きる思想 ショーペンハウアー…

読書感想:『太平洋戦争への道 1931-1941』

『ヒトラーはいつも、偏見と憎悪とを掻きたて続けることに腐心しておりました。若い人たちにお願いしたい。他の人々に対する敵意や憎悪に駆り立てられることのないようにしていただきたい。』 これは自分の人生の教訓としている、ヴァイツゼッカー元ドイツ連…

2022年上半期、感動した本と映画紹介

お疲れ様です、スナフキンです。 今日で早くも今年の半分が経過。 社会人になって費やす時間は減ってしまいましたが、人生の深みを得るため、積極的に読書や映画鑑賞の時間を作っています。 ということで、今回は、中でも印象深く、学ぶことの多かった本や映…

映画感想:『オフィサー・アンド・スパイ』

お疲れ様です、スナフキンです。 映画の感想をこちらのブログで書くのは初めてなのですが、とても印象的に残った映画であり、また歴史学習の重要な文献にもなりうると思ったので、今回ブログを書いてみることにしました。 本日ご紹介するのは、ロマン・ポラ…

読書感想:『暇と退屈の倫理学』

お疲れ様です、スナフキンです。 今回は、なかなか読み応えのある、勉強になった哲学書についてご紹介したいと思います。本日ご紹介する作品は、國分功一郎氏著、 『暇と退屈の倫理学』 という哲学の本。 暇と退屈の倫理学(新潮文庫) 作者:國分功一郎 新潮…

読書感想:『眠れないほどおもしろい吾妻鏡』

現在NHK大河ドラマで、『鎌倉殿の13人』が放映されていますが、今回はそのドラマの知識を深め、より面白く鑑賞するのにも役立つ本を紹介したいと思います。 今回紹介するのは、 『眠れないほど面白い吾妻鏡』 という板野博行氏の本。 眠れないほどおもし…

上野の東京国立博物館の特別展、『ポンペイ展』を鑑賞しに行きました。

お疲れ様です、スナフキンです。 先週のことになりますが、上野の東京国立博物館で特別展として開催された、 『ポンペイ展』 を鑑賞してきました。 pompeii2022.jp 紀元後79年、ヴェスヴィオ火山の噴火により、火山灰の下に埋もれてしまった悲劇のローマ帝国…

読書感想:『アウシュヴィッツの地獄に生きて』

お疲れ様です、スナフキンです。 本年一冊目の作品は、 『アウシュヴィッツの地獄に生きて』 という、強制収容所に収容され、その後生還したジュディス・S・ニューマン氏の回顧録を拝読させていただきました。 アウシュヴィッツの地獄に生きて (朝日文庫) 作…

読書感想:『ツリーハウス』

お疲れ様です、スナフキンです。 今年最後の読書感想になりそうですが、今回は角田光代氏の 『ツリーハウス』 と言う小説を読ませていただきました。 ツリーハウス 作者:角田光代 文藝春秋 Amazon 夏の文庫フェアの時に、書店で面白そうだと手に取って途中ま…

読書感想:『名画で読み解く プロイセン王家12の物語』

お疲れ様です、スナフキンです。 以前にも、名画に描かれた謎を読み解き、分かり易く説明してくださる中野京子氏の書籍を紹介したことがあるのですが、今回も書店で目に留まり、興味深く読ませていただいたので、また紹介したいと思います。 以前の本の紹介…

パナソニック汐留美術館『サーリネンとフィンランドの美しい建築展』の見学をしに行きました。

ご無沙汰のブログとなってしまいました。 最近は本年もチャレンジしようかなと思っている歴史能力検定のため、毎日世界史の勉強を行っており、読書の頻度がかなり落ちてしまっているスナフキンです。 こうした時にも継続的にブログを更新している人々は凄い…

読書感想:『月と六ペンス』

言わずと知れたサマセット・モームの代表作。 現代文学だけでなく、古典文学も少しずつでも併行して読んでいこうと心がけています。 月と六ペンス (光文社古典新訳文庫) 作者:モーム 光文社 Amazon 本作は、実在の画家ゴーギャンをモデルにした、ストリック…

金沢旅行記。兼六園とグルメと酒蔵見学と。

旅行はつくづく、自己投資に繋がるものだと感じます。 先日Twitterでも報告しましたが、この度休みを利用して、1泊2日の金沢旅行を堪能してきました。 個人的に金沢に行ったのは、中学生以来2回目。職場の後輩の地元が金沢市で、しばしば金沢県の魅力を話し…

読書感想:『そのとき、「お金」で歴史が動いた』 〈②なぜ、ドイツ経済は「たった3年」で回復できたのか?〉

前回のブログでは、ナポレオン戦争において、なぜ軍事的に不利だった英国がフランスに勝利できたのか、という考察について学びました。 booklovers45.hatenablog.jp そのとき、「お金」で歴史が動いた 作者:ホン・チュヌク 文響社 Amazon 今回は、もう一つ目…

読書感想:『そのとき、「お金」で歴史が動いた』 〈①軍事力で不利だった英国がナポレオンに勝てた本当の理由〉

自分の学習範囲として、それぞれ経済学と歴史の分野を学んでいますが、今回紹介する本は、経済が歴史にどのように関係しているかを理論的に解き明かす非常に面白い教材となっています。 著者は韓国の経済学者で、Youtubeチャンネルも解説しているホン・チュ…

読書感想:『楊令伝』第二巻

――――――― 【おことわり】 自分が現在継続して読み続けている、北方謙三氏の『楊令伝』の読書感想を書き記していく予定です。 『楊令伝』は前作『水滸伝』に引き続き、『岳飛伝』へと繋がる、『大水滸伝』シリーズの一つで、ストーリー背景を描写する上で、多…

読書感想:『楊令伝』第一巻

――――――― 【おことわり】 今回から以後、自分が現在継続して読み続けている、北方謙三氏の『楊令伝』の読書感想を書き記していく予定です。 『楊令伝』は前作『水滸伝』に引き続き、『岳飛伝』へと繋がる、『大水滸伝』シリーズの一つで、ストーリー背景を描…

北方謙三『大水滸伝』シリーズを読み直しています。

お疲れ様です、スナフキンです。 読書好きの方なら誰しも、自分にとって忘れられない、バイブルのような超大作本というものがあると思うのですが、今回紹介するのは自分にとっての超大作シリーズ本になります。 紹介するのは、北方謙三氏の、『大水滸伝』と…

歴史能力検定の結果が返ってきました。

お世話になっております、スナフキンです。 突然ですが、世界史既習の方へ問題です。 〈問題:イスラーム世界において、9世紀に知恵の館(バイト=アルヒクマ)を創建し、ギリシア語文献のアラビア語への翻訳事業を進めた、アッバース朝第7代カリフの名は?〉…

こんなに面白い!現在の世界史資料集!

お世話になっております、スナフキンです。 昨年から歴史能力検定のために、10年ぶりに再会した世界史の学習ですが、この度世界史の資料集(図説)を新しく追加で買い直しました。 書店でいくつかの資料集を比較検討したのですが、今回紹介するもののクオリテ…

読書感想:『名画の謎 対決篇』

お疲れ様です、文系歯科医師スナフキンです。 本日も以前に引き続き、中野京子氏の著作、『名画の謎』シリーズから第4弾の作品を紹介したいと思います。 今回紹介するのは、 『名画の謎 対決篇』 という名前の本。 名画の謎 対決篇 (文春文庫) 作者:京子, …

読書感想:『欲望の名画』

前回に引き続き、今回の読書感想も、中野京子氏の著作となります。大分ハマってきました(笑)。 今回紹介するのは、 『欲望の名画』 という著作。 欲望の名画 (文春新書) 作者:京子, 中野 発売日: 2019/08/20 メディア: 新書 本作は月刊誌『文藝春秋』の連載…

Copyright ©とりま文系歯科医師が自己投資。 All rights reserved.

プライバシーポリシー