小説
明日(2024年11月22日(金))映画化される作品になります。 映画を観る前に、小説で読んでみようと思って買った小説なのですが、あまりに面白すぎて、どんどんページを進めてしまいました。 以前自分も通った道の就活の時のことを思い出しましたが、作品として…
古典の小説は、定期的に読もうと思っています。 よくお世話になっているのが、光文社古典新訳文庫ですが、今回ご紹介するのは、サン=テグジュペリの著作、 『夜間飛行』 という小説。 夜間飛行 (光文社古典新訳文庫) 作者:サン=テグジュペリ 光文社 Amazon…
2024年の今年は安部公房生誕100年。 今回も、まさに安部文学と言えるような作品を鑑賞。 今回の小説は、 『人間そっくり』 というSF小説。 人間そっくり(新潮文庫) 作者:安部公房 新潮社 Amazon 〈こんにちは火星人〉というラジオ番組の脚本家のところに、…
安部公房氏が生誕して100年の2024年。 本日ご紹介するのは、安部公房氏が完成させた最後の長編とされる、 『カンガルー・ノート』 カンガルー・ノート(新潮文庫) 作者:安部公房 新潮社 Amazon ある日突然、自分の脛に〈かいわれ大根〉が生えているのに気づ…
―何のために存在しているのか?その理由を考えることで、確かに人は、自分の人生を模索する。僕だって、それを考えている。けれども、この問いかけには、言葉を見つけられずに口籠ってしまう人を燻り出し、恥じ入らせ、生を断念するように促す人殺しの考えが…
20世紀の混沌を縦横無尽に漕ぎ渡り、人間と社会をめぐって、深い洞察の言葉を紡ぎつづけた安部公房。 その作品世界は、悪夢のようでありながら笑いに満ち、悲惨でありながら生のエネルギーに溢れています。(芸術新潮2024年3月号参照) 2024年の今年は、安部公…
こんなにも衝撃的で、感動した作品だとは思いませんでした。 間違いなく、自分の中での印象に残った傑作です。 今回ご紹介するのは、前回に引き続き、有吉佐和子氏の 『非色』 という小説。 非色 (河出文庫) 作者:有吉佐和子 河出書房新社 Amazon 物語は、終…
また名作に出逢いました。 2024年に、没後40年を迎える作家、有吉佐和子氏。 その有吉氏の幻の長編小説が、奇跡の復刊を遂げたということで書店でフェアをやっており、気になって手にしたのが、今回紹介する、 『青い壺』 という小説でした。 新装版 青い壺 …
近現代の文学は、作者がいて作品がある、というのが一般的である。 しかし、今回紹介する作品は、それとは異なる意味がある。 石牟礼道子氏が著した作品、 『苦海浄土』 は、水俣病の患者たちが本当の語り手だと、石牟礼氏は述べる。 水俣病の患者たちは、言…
―社会に出て、関わる人も広がって、本当に言いたいことを言って、何の曇りもなく自由に思いどおりに生きている人などそういないことを知った。 ありのまま生きているように思える人も、そんな強い自分であるために、どこかで無理をしている。 他人がどう思う…
今回ご紹介するのは、木下古栗氏著の 『グローバライズ』 という本。 グローバライズ GLOBARISE (河出文庫) 作者:木下古栗 河出書房新社 Amazon 友人が読んでいて、興味を持って自分も読んでみたいと思った作家さんです。 読了後、非常に斬新かつ複…
―私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、-5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた。その特権性に気づかない「本好き」たちの無…
ライフスタイルの多様性は都会だからこそ許されるのであろうか。 自分の価値観を重視し、自由に人生を生きるのは『傲慢』なのだろうか。 帯拍子で、 〈『人生で一番刺さった小説』との声、続出〉 とのタイトルに惹かれ、書店で購入した辻村深月氏の小説。 傲…
最近色々とドタバタしていて、読書はしてはいるのですが、読書感想を書くペースがおざなり勝ちになっているスナフキンです。 今回は、ディストピア小説で有名な、ジョージ・オーウェルの作品で、代表作『一九八四年』と並ぶ、もう一つの代表作をご紹介したい…
先日の休みに、映画『怪物』を鑑賞してきました。 gaga.ne.jp 実はノベライズを先に読んでいたので、ストーリーは理解していたのですが、やはりこれは劇場へ行かなきゃと思い、映画鑑賞。 怪物 (宝島社文庫) 作者:佐野 晶 宝島社 Amazon さすが是枝裕和監督…
Twitterの読書アカウント界隈で、『面白かった!』という反響が多かったので、自分も読んでみようと思って購入。 2023年第21回の『このミステリーがすごい!』大賞の文庫グランプリを受賞したらしく、ワクワクしながら読ませていただきました。 今回紹介する…
GW中、都内では最終上映となった、長澤まさみ×松山ケンイチ両氏主演の映画 『ロストケア』 を鑑賞しました。(映画タイトルは『ロストケア』) lost-care.com ロスト・ケア (光文社文庫) 作者:葉真中 顕 光文社 Amazon 延べ43人もの人間を殺害し、戦後になって…
本日も、湊かなえ氏の小説をご紹介。 以前から購入してずっと積読だったのですが、やっと読み終えることが出来ました。 ユートピア (集英社文庫) 作者:湊かなえ 集英社 Amazon 物語の舞台は、緑豊かな海辺に面した、人口7千人の鼻崎町と言う町。 過去には一…
『―結局さ、のっぺりしすぎてるんだよ、とナナコは言っていた。 何もかもがのっぺりしてる。毎日、光景、生活、成績、全部のっぺりしてるから、いらいらして、カーストみたいな理不尽な順位をつけて優位に立ったつもりにならなきゃ、みんなやっていられない…
血の滲むような、言葉では表現しつくせない努力や根性を持って見せても、 『絶対に超えられない、人智を超えたもの』 というものを、誰しも感じたことがあるに違いない。無論自分もそうしたものがあると痛感して生きている。 今回紹介する小説においても、何…
目まぐるしく変化する激動の世界において、自分と世の中の関係性が上手く分からない、またそこまで言語化することは無いにしても、漠然と未来の世界にぼんやりとした気持ちを持つことはあると思います。 今回紹介する、ノーベル文学賞作家、カズオ・イシグロ…
『人はこうした追求と、こうして熱に浮かされたかのようにしるしを組み合わせようとする営みに、知性の使い方の逸脱を看て取るのかもしれない。私はむしろそこに、知性の詩的機能、文学や宗教や偏執病(パラノイア)において働いているのと同じ機能を看る。(嫉…
お疲れ様です、スナフキンです。 今年もあと少し、読書して感想書きたい本がいくつか残っているのですが、出来るだけ年内のうちに書き残していければと思っています。 今回ご紹介するのは、湊かなえ氏著 『母性』 という物語。 母性(新潮文庫) 作者:湊かな…
『何もかもを捨て去って、別人になる。-そうした想像には、なるほど、蠱惑的な興奮があった。必ずしも絶望の最中だけでなく、きっと、幸福の小休止のような倦怠によっても、そんな願望は弄ばれるのだ。』 お疲れ様です、スナフキンです。 また非常に感動的…
お疲れ様です、スナフキンです。 今回も、自分が大好きな作家、伊集院静氏の小説を紹介したいと思います。 伊集院氏の小説は、人間が、他者と生きていく中で何が肝心なのか、人間形成において、何が必要なのかを様々な状況で問いかけるものが多いです。 今回…
お疲れ様です、スナフキンです。 今日で早くも今年の半分が経過。 社会人になって費やす時間は減ってしまいましたが、人生の深みを得るため、積極的に読書や映画鑑賞の時間を作っています。 ということで、今回は、中でも印象深く、学ぶことの多かった本や映…
お疲れ様です、スナフキンです。 自分の中で、かなり充実感のある、素敵なミステリー小説に出逢えました。 つい最近、阿部寛氏主演の『カラスの親指』という映画を観たのですが、この映画が非常に感動する名作でありました。 内容としては、主人公のベテラン…
お疲れ様です、スナフキンです。 今年最後の読書感想になりそうですが、今回は角田光代氏の 『ツリーハウス』 と言う小説を読ませていただきました。 ツリーハウス 作者:角田光代 文藝春秋 Amazon 夏の文庫フェアの時に、書店で面白そうだと手に取って途中ま…
言わずと知れたサマセット・モームの代表作。 現代文学だけでなく、古典文学も少しずつでも併行して読んでいこうと心がけています。 月と六ペンス (光文社古典新訳文庫) 作者:モーム 光文社 Amazon 本作は、実在の画家ゴーギャンをモデルにした、ストリック…
以前『三島由紀夫レター教室』 booklovers45.hatenablog.jp という、三島由紀夫作品をご紹介しましたが、今回も三島作品の一つをご紹介したいと思います。 2020年が三島由紀夫の『生誕95年・没後50年』だったみたいで、昨年の2020年の時に購入し、今まで積読…