本書は、京都・嵯峨野の寂庵にて、2019年1月27日に行われた『10代のための特別法話』などもとに、再構成したもの。
『Q:人に悪く思われないか、いつも気にしてばかりいます』
という質問には、
『悪口を言った評論家たちに向かって、「みんな死んでしまえ」と思っていたら、みんな先に死んでしまった』
と、自らの文学界を干された経験を踏まえて話す、瀬戸内寂聴氏。
生前の寂聴氏の力強い言葉に、いったいどれだけ多くの人が励まされたのだろうか。
寂聴氏の好きな言葉に、
『若き日にバラを摘め』という、英国の詩人ロバート・へリックの言葉がある。
バラにはとげがあり、綺麗だけれども、手でつかもうとしたら傷つく。
けれども、それを怖がっていたら、自分のものにはならない。若いうちはバラのとげでけがをしてもすぐに治る。
だからこそ、若いうちには、傷つくのを恐れずに何事にも挑戦しなさい、という意味だが、非常に素敵な言葉ですよね。
瀬戸内寂聴氏の作品、これからもかみしめて読んでいきたいと思います。