自分が尊敬する読書家のひとり、丹羽宇一郎氏の新書を読みました。新書を出すスピードが非常に早く、いつまでも精力的な方だなあと本当に頭が上がりません。
過去にも著書を紹介していますが、今回は『人間の器』をテーマにしたものになっています。
ちなみに過去のブログはこちら。
-人を測る真の尺度は、自分に何の利益ももたらせない人を、その人がどう扱うかということである。
これはイギリスの文学者、サミュエル・ジョンソンの言葉として引用されていますが、人間として生まれてきたからには、自分の命を宿す器は大きくて深いものでありたい、そしてどうすれば自分の心が成長できるのか、常に考えながら生きていくことが必要だと丹羽氏は述べています。
丹羽氏が常に様々な著作で述べている、人は仕事、読書、そしてヒトによって磨かれる、という理論がベースになっていますが、その中でも新たに学びの意識が強かった部分に関して少しご紹介したいと思います。
【成功は復讐する】
経営の世界で良く言われる言葉ということも初めて知りました。
成功体験を忘れられず、同じやり方に固執して楽をしていると、変化の早い昨今では、あっという間に世の中から取り残されたり、失敗を招いたりしてしまうことに対しての戒めの言葉。
この成功体験の呪縛から抜け出すためのリーダーの条件の一つが、
『過去を忘れる』
ことだと丹羽氏は述べる。
丹羽氏自身も、日記や資料を見返したりして過去を思い出したりするが、そのようなとき、ほとんどのことは覚えていないこともしばしばあるのだという。
しかし、忘れるからこそ新しい発想も生まれるし、現在をベストに生きられるのではないかと説く。
【『必然の運』は自分で作り出す】
人が何かをなそうと必死の努力をしているとき、しかるべき人と偶然に出逢ったりして道が拓けるということがある。
傍から見れば、それは不思議な偶然の縁があって道が拓けたというふうにも映るかもしれないが、それは実は極めて必然の道筋といえるものなのではないか。
つまり、『たまたまの運』ではなく、『必然の運』は、自分の努力や工夫によってもたらされるものと言えるのではないだろうか。
自分の人生においては、常に“今”が一番若いのだから、どんなときも常にアンテナを張って行動していくのが良いのだということでしょう。
非常に勉強になりました。
自分の本棚を整理したら、丹羽さんの著作は6冊ほど購入して読んでいました。
読書感想自体はまだ書いていない著作もあるので、今後また整理して読み直していきたいと思います。