文系で大学受験をした時、好きだった教科が、世界史と地理でした。
どっちがより好き、と言うわけではなく、本当にどっちも好きで、それぞれの教科を学べば学ぶほど、互いに知識が相互連関し、より社会に対する理解が深まっていったのがとても楽しかった記憶があります。
人生紆余曲折を経て、歯科医師になった今でも、その知識は本当に財産だな、と感じています。
世界史に関する書籍は圧倒的に多いのですが、地理に関する書籍は決して多くは無い。そんな中で、社会人でも読みやすく、地理の面白さが分かる書籍があったのでご紹介します。
本日紹介する本は、代々木ゼミナールの地理講師、宮路秀作氏が筆者の、
『経済は地理から学べ!』
という本。
地理を全く学んだことがない人でも、地理を学ぶことの意義や、地理的思考力を学ぶことの魅力が伝わるのではないでしょうか。
筆者も述べているように、『地理』とは、地域に展開する様々な情報をあつめ、分析し、その独自性を解明するものであります。
また、今まで知っていた知識も、地理的思考力があることで、より社会問題を論理的に理解することが出来ると思います。
本書で記されていますが、例えば、昔南アフリカ共和国で実施されていた、人種隔離政策アパルトヘイトと、希少金属レアメタルの関係性など。
南アフリカ共和国は、国内に偏在性の大きい希少金属レアメタルを多く保有し、東西間交流が非常に困難な冷戦時代には、西側諸国は、レアメタルの供給地として、国際的地位が高かった。
そのため、西側諸国も、南アフリカ共和国のアパルトヘイトに強い制裁が出来なかったのだが、1989年のマルタ会談によって冷戦構造が終わりを告げると、南アフリカ共和国への依存度は急速に低下。
その結果、1991年のアパルトヘイト撤廃に繋がる、というストーリーになります。
こうした知識を体系化できるのも、地理を学ぶ醍醐味です。
筆者の本は他にも面白そうなものが有ったので、引き続き地理の勉強をしてみようと思います。