お疲れ様です、スナフキンです。
自分の中で、かなり充実感のある、素敵なミステリー小説に出逢えました。
つい最近、阿部寛氏主演の『カラスの親指』という映画を観たのですが、この映画が非常に感動する名作でありました。
内容としては、主人公のベテラン詐欺師のタケが、あることをキッカケにテツという男と出会う。
二人はコンビを組み、様々な詐欺を重ねていくのだが、ある日二人のもとに、まひろという少女が現れ、その姉のやひろ、恋人の貫太郎の三人がタケとテツの住んでいる家に転がり込み、それから五人の奇妙な共同生活が始まる。
そして、とある出来事をキッカケに、人生逆転の大規模な詐欺を企てる、というお話なのですが、この最期の結末が非常に感動的で、最近観た映画の中でもかなりの名作でした。
そして、今回紹介する本は、その『カラスの親指』の続編の、
『カエルの小指』
というミステリー小説。
筆者の道尾秀介氏の作品を読んだのはこれが初めてなのですが、道尾氏の作品は、ミステリー小説であるにも関わらず、心が温まる形での『どんでん返し』が起こる、魅力的なものが多い。
巻末の解説でも、教育系YouTuberのヨビノリたくみ氏が、筆者の道尾氏にインタビューしているのですが、道尾作品で、続編がある小説は非常に珍しいらしいです。
-道尾さん曰く、作品を書く際は常に「これ以外のエンディングはありえない」という気持ちで物語を終わらせるらしく、基本的に続編という形はやりたくないとのことでした。
すると自然に湧く疑問は「なぜ『カエルの小指』という作品が例外的に生まれたのか」ということになると思うのですが、それは「登場人物たちにまた会いたくなったから」だと言うのです。
こんな素敵な理由があって良いのでしょうか?
ファンだけでなく、著者自身もこの作品の登場人物たちが大好きなようです。
世の中が最近暗いニュースが多い中で、結末がほっこりする小説は非常に有意義なものですよね。今後も道尾秀介作品、チェックしていきたいと思います。