とりま文系歯科医師が自己投資。

読書好きな開成、一橋大卒文系出身歯科医師のマイペースブログ。読書を中心に学んだ知識をアウトプットすることで、何か社会が少しでも変わればなと思い開設。好きなテーマは小説全般、世界史、経済学、心理学、経済投資など。筋トレも趣味です。

好きな百人一首の歌紹介~Part1~

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先日書いたブログで、百人一首が好きと紹介したが、今回はその中でもとりわけ個人的に気に入っている和歌を1つ紹介したいと思います。ちなみに参考文献は、前回にも紹介した

『眠れないほどおもしろい百人一首

です。 

 

 

 

〈第54番〉

忘れじの 行末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな

(儀同三司母)

 

(訳:あなたは私のことを、決して忘れまいとおっしゃるけれども、遠い将来まで言葉通りの愛情が続くかどうか、信じることが難しいので、今日を最後とする命であってほしいと思います。)

 

 作者の儀同三司母、藤原道隆の妻で、子には一条天皇の皇后となった定子などがいる。夫も子供たちも順調に出世をし、早年には隆盛の波に乗っていたかと思いきや、夫の道隆が43歳で急逝すると、それとともに急速な衰退が始まってしまう。

 息子の伊周と隆家はともに藤原道長との権力争いに敗れ左遷、家族は一家離散の失意の中、自身も病に倒れ息を引き取る。

 

 『忘れじの~』の歌は、道隆と若い時代にあった時の初々しい頃の歌だという。

 当時は幸せの絶頂にありながら、暗い未来をまるで予期していたかのような、刹那的な感覚。仏教的な無常観を想起させる、何とも深い味わいのする歌だと個人的に思っています。

 

 永遠の愛を信じられない、と言うのは、時代を超えても同じ気持ちなんだろうなあ。

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