とりま文系歯科医師が自己投資。

読書好きな開成、一橋大卒文系出身歯科医師のマイペースブログ。読書を中心に学んだ知識をアウトプットすることで、何か社会が少しでも変わればなと思い開設。好きなテーマは小説全般、世界史、経済学、心理学、経済投資など。筋トレも趣味です。

読書感想:『文豪ナビ 三島由紀夫』

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以前どこかのテレビで、三島由紀夫の日本語の美しさについて、評論家が熱く語っていたことがあった。

中学時代に潮騒、そして仮面の告白と確か途中まで読んでいた自分だったが、当時の自分は三島文学の美しさをいまいち理解できていなかった。そのため当時テレビを見ていても、『ふーん、そんなもんなんか』ぐらいにしかう思っていなかったのだが、今この年齢になって改めて三島文学を読むと、本当に鳥肌が立つくらいの感動を感じた。

昨年読んだ金閣時』は、三島が31歳の時に上梓した作品。

おいおい、俺とほぼ同じ年齢じゃねえか、とマジで溜息。

もし三島が同年代でいたら、間違いなく自分にコンプレックスを感じて嫌いになってしまうと思う。

まさに表紙の通り、時代を先取りしすぎた男だと思う。

 

作家の小池真理子氏が、本書の中でこのように三島のことを語っている。

『三島の精神を彩ってきた狂おしさは、人として生きる上での真摯さにも通じる。自分のうちに狂おしさを内包していない表現者は、作家であれ、音楽家であれ、画家であれ、人の心をつかむことはできない。(P.80)』

 

三島が紡ぎ出す美しい日本語の文章に陶酔するのは、

『あ、俺ってわかってるかも』

って少しナルっぽく思うけれど、でもこうした感覚があるってこと自体には、自分の人間性に少しの可能性を感じさせてくれることも否定できない。

 

時代を先取り過ぎた男の文学。今でも色あせていないと思う。

 

文豪ナビ 三島由紀夫 (新潮文庫)

文豪ナビ 三島由紀夫 (新潮文庫)

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/10/28
  • メディア: 文庫
 

 

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