お疲れ様です、スナフキンです。
以前にも、名画に描かれた謎を読み解き、分かり易く説明してくださる中野京子氏の書籍を紹介したことがあるのですが、今回も書店で目に留まり、興味深く読ませていただいたので、また紹介したいと思います。
以前の本の紹介はこちら。
さて、本日紹介するのは、
『名画で読み解く プロイセン王家12の物語』
というシリーズ本。
中野京子氏を一躍有名にしたベストセラー本、『名画で読み解く ハプスブルク家』から続く、5冊目のシリーズになり、本作では現代ドイツの礎を築いた国家、プロイセンについての物語が、名画とともに説明されています。
個人的なことですが、世界史の上でも、啓蒙専制君主フリードリヒ2世や、名宰相ビスマルクなど、好感度の高い歴史上の人物がプロイセンには多いです。
その一方で、世間的にも有名なハプスブルク家とはやや対照的に、現在のドイツの基礎となるプロイセンを築き上げたホーエンツォレルン家の知名度はそこまで高くありません。
知名度は低いものの、ただその流れだけでも軽く知ることができたら良いな、という思いもあり、今回手に取ってみました。
プロイセンの歴史を理解するためにとても面白い一冊になっています。
ヨーロッパではどの王家でもそうなのですが、一般的に王の名前が非常に覚えにくく複雑なところがあります。プロイセンとて例外ではなく、当の国民でさえ、あだ名をつけて覚えているくらいでした。
9代の名と代表的なあだ名は以下の通り。
①初代 フリードリヒ1世(猫背のフリッツ)
②二代 フリードリヒ・ヴィルヘルム1世(兵隊王)
③三代 フリードリヒ2世(大王)
④四代 フリードリヒ・ヴィルヘルム2世(デブの女たらし)
⑤五代 フリードリヒ・ヴィルヘルム3世(不定詞王)
⑥六代 フリードリヒ・ヴィルヘルム4世(ひらめ)
⑦七代 ヴィルヘルム1世(白髪王)
⑧八代 フリードリヒ3世(我らがフリッツ)
⑨九代 ヴィルヘルム2世(最後の皇帝)
先ほども申し上げた通り、現代ヨーロッパ地図の原型を作ったのはホーエンツォレルン家。
何世紀も神聖ローマ帝国傘下にあり、三百もの中小群(王国、公国、領邦など)に分裂した状態だったドイツが、歴代当主たちの奮闘によりやっと1つにまとまり、しかもハプスブルク家を排除する形で独立し、世界最強国の一角に食い込んだ。この出来事は決して並大抵のことではないと思います。
本書はそのホーエンツォレルン王朝形成の第一歩から記されています。
ちなみに形成のキッカケは、1701年のスペイン戦争勃発時、当主がハプスブルク家につくことを約束したことで、中規模の『公国』から『王国』に格上げしたところから。
ここで細かくそれからの続きを書き記すと長くなってしまうので割愛しますが、ドイツの歴史を知るのに良い本だと思われます。
やはりフリードリヒ大王とビスマルクの章は面白かった。また引き続き歴史関連の本を読んでいきたいと思います。