お疲れさまです、スナフキンです。
年末が近づき、かつ今年読んだ本が例年にかけて多くはないこともあって、積読にしていた本を現在引っ張り出して読んでいるところです。
読書の冊数を決して増やすことが目的でないにせよ、来年はもう少しまた読書のペースを増やしていければと思っています。
さて、今回ご紹介するのは、数年前のビジネス書大賞でも賞を受賞し、現在でも多くのビジネスマンに読まれている、シリコンバレーのコンサルティング会社CEOのグレッグ・マキューン氏著、
『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』
をご紹介したいと思います。
【エッセンシャル思考とはどのようなものか】
エッセンシャル思考は、より多くの仕事をこなすためのものではなく、やり方を変えるためのマインドのようなものだと筆者は述べています。
「何もかもやらなくては」という考え方を辞めて、断ることを覚えたとき、本当に重要な仕事をやり遂げることが可能になります。
『やらなくては』⇒『やると決める』
『どれも大事』⇒『大事なものはめったにない』
『全部できる』⇒『何でもできるが、全部はやらない』
つまり、自分の力を最大限の成果につなげるためのシステマティックな方法が、エッセンシャル思考というものだと述べています。
【優秀な人ほど『成功のパラドックス』に陥りやすい】
それでは、なぜこのようなエッセンシャル思考が大事なのでしょうか。
筆者によれば、なんでもこなすことのできる『優秀な人』ほど、自分にとって大事なことを見分けられなくなってしまうと説きます。
筆者はこれを、『成功のパラドックス』と呼んでいます。
☆成功のパラドックス
・第一段階:目標をしっかり見定め、成功へと一直線に進んでいく。
・第二段階:成功した結果、『頼れる人』という評判を得る。どんどん多様な仕事を振られるようになる。
・第三段階:やることが増えすぎて、時間とエネルギーがどんどん拡散されていく。疲れるばかりで全てが中途半端になる。
・第四段階:本当にやるべきことができなくなる。成功したせいで、自分を成功に導いてくれた方向性を見失ってしまう。
こうした例は個人だけでなく企業にも当てはまり、ジム・コリンズ『ビジョナリーカンパニー3 衰退の5段階』では、成功した企業がいかにして衰退するのかが分析されています。
やたらと多くを求めすぎた結果、『規律なき拡大路線』に陥ってしまうからだといいます。
-努力は大切だ。だが、努力の量が成功に比例するとはかぎらない。がむしゃらにがんばるよりも、「より少なく、しかしより良く」努力したほうがいい。(P.60)
本書は、そんなエッセンシャル思考の概念と、それを用いる技術や考え方を紹介しています。
(1)エッセンシャル思考とは何か
①選択:時間とエネルギーの使い方を学ぶ
②ノイズ:何が重要かを正しく見極める
③トレードオフ:何もかもやることは不可能。何かを選ぶことは、すなわち何かを捨てること。
(2)見極める技術
・あらゆる選択肢を吟味し、熟考する。
(3)捨てる技術
・ノーと言う勇気を持つ
(4)しくみ化の技術
・努力と根性でやり遂げるのではなく、すんなり実現するような仕組みを作る。
社会人になると、自由な時間はかなり有限なことを痛感しますが、その中で、本当に大切なことにリソースを注入するために、何をすればいいのかのヒントが詰まっていると思いました。参考にして行きたいと思います。