本を読むにあたって、基本的にはジャンルを幅広く持ち、興味を持ったものを自由に読んでいるつもりなのだが、自分の中でルールを少しいくつか設けている。
そのルールの一つが、『週に最低1冊は、古典や近代文学の著作に触れてみる』ということ。過去の有名作品を読み、現代に通じるヒントを得たい、というフワッとした気持ちからなのだが、今回改めて、古典を読むことによるメリットを自分なりに考えてみた。
とはいえ、『古典を読むメリットとは?』で検索すると実に多くの方々が、古典の魅力を熱く語っていたので、それを読んで被る内容は極力避け、自分なりの意義を考えてみたい。
〈古典を読むメリット〉
①現代人が書く本の見方が変わる
古典と現代書籍を比べたら、それは間違いなく後者の方が読みやすいし、実学的なスピード感ではそりゃあ現代に出版されている情報を得た方が楽に感じる。
けれども、現代の作家が書く小説にだって、古典小説の引用があったり、その背景に古典の世界観があると理解しただけで、現代小説の世界観も格段に広がると感じる経験は、古典を読むことによって得られるだろう。スムーズに読める本だけでなく、知的体力をつけるためにも、古典を読むことのメリットはあるだろう。
②意外と現代人の自分の価値観のベースだったりする
ブログを書く前から、『読書記録帳』はマイペースに書いていたのだが、特に古典の中でも百人一首は好きで、今でもたまに読み返したりしている。
日本語の古文における特徴の一つが、主語が省略されることが多い、ということだろう。けれども、主語が無いからと言って、基本的に大きく文章の内容を読み違えることはそこまでないはずだ。
言語表現におけるこのような曖昧さは、日本語の作品が古典から現代に至るまで持っている美しさ、強さのひとつなのだろうと思う。
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③純粋に『古典』は面白い
全く理由になっていないかもしれないが、歳を重ねていくにつれ、純粋に古典は楽しいのでは、と思うようになってきている。
小学2年生の時に、塾で宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を先生に読まされた思い出がある。当時の自分は、本の内容が全く分からず、ただ文字だけを追っていただけだった。
しかしながら、時を超え、なぜかまた改めて読んでみたいなと思う本の一つに、『銀河鉄道の夜』を自分は上げると思う。
世の中には、何故か意味の分からないことが、時を超えて巡り巡って意外に大切だったりすることもあるような気がする。古典はそんな人生の教訓も教えてくれるのではないだろうか。
とまあ、何となく自分なりの古典を読むメリットを挙げてみた。
いずれにせよ、現代の本では得られない経験を得るのは確かなので、今後もそうした不思議な体験を得るために、定期的に古典の世界に使ってみたいと思う。