―何のために存在しているのか?その理由を考えることで、確かに人は、自分の人生を模索する。僕だって、それを考えている。けれども、この問いかけには、言葉を見つけられずに口籠ってしまう人を燻り出し、恥じ入らせ、生を断念するように促す人殺しの考えが忍び込んでいる。(P.465)
2024年に映画化もされるという、平野啓一郎氏の
『本心』
を読みました。
存命中、思いがけずふと〈自由死〉を望んだ主人公の母。
そんな最愛の母が突然息を引き取ったことで、何とかその母をAIによって蘇らせようとした主人公。
AIによって生み出された〈母〉との対話の中で、生前なぜ、〈自由死〉を望んだのか、主人公は『本心』を探ろうとする。
格差が拡大し、メタバースが日常化した2040年代の日本を舞台に、命の意味を問いかける小説なのですが、正直自分には理解が追いつきませんでした。
もしかしたら、今の自分には、そうしたメタバース空間や、AIに対してのとっつきにくさを感じているのかもしれません。
好きな作家さんなので読んでみたのですが、自分の中ではイマイチピンときませんでした。
まあこうしたこともあるのかなと、読書記録。