-本気で考えて知力を振り絞ると、本物の高揚感が感じられるものだが、そういうことはえてして学生時代が終わると忘れがちだ。
著者が作品内でそう述べているが、確かに、大人になって、子供時代にやっていたように、じっくり頭を捻って解答を導き出すような行為は減ってきていると感じる。
物事を経験則でパターン化して考えるようになったものの、子供時代に持ち合わせていた、何か特別なスキルが衰えているのでは、と感じることがある。
今回紹介する本は、そんなパターン認識では太刀打ちできない、難問奇問が紹介されています。 以前に自分のTwitterのフォロワーさんが紹介していた本なのですが、自分も興味があったので読んでみました。
論理的に討論するスキルは、人生を成功に導く上で、また組織や社会や国家を説得して何かの目的を果たす上で、絶対不可欠の技術だと、イギリスでは考えられている。自分の意見を堂々と理詰めで展開する人の方が社会で光る。
そこで、オックスブリッジの試験官は、受験生が基本的な討論力をすでに身に付けているかどうかを判断するために、この有名な口頭試問『インタビュー』を行う。
・あなたは自分を利口だと思いますか?
・幸せだ、とはどういうことですか?
・木を描くとします。その木は現実のものですか?
・カタツムリには意識はあるのでしょうか?
・歴史は次の戦争をとめ得るでしょうか?
ジャンルは幅広く、自分の専攻とは全く異なる分野からの質問も少なくない。
今までに読んだ本の話などしても決して意味がなく、どうやって頭が回転するかを短い時間で試験官に分からせるのが目的なのだと言う。
解答は決して一つに決まるものではない。ただ、思考のプロセスが重要。
本書は著者が導き出した解答が載せられているが、自分がこの口頭試問を実際に試験会場で受けたらどのような解答をだせるか、頭を捻って考えるのも良いと思う。
ただ、やはり自分の思考回路は、やはり文系に偏っているのだなあとも思いました。
自分が興味を持った質問も、社会学や歴史学、哲学の分野に関係するものが多く、オックスブリッジを受験する生徒には全然太刀打ちできないなあと、しみじみ思いました。
自分の好きな分野を伸ばしつつ、少しずつでも未だに知らない分野にも挑戦していきたいと思いました。