―言葉から言葉をつむぐだけなら、たとえばAIにだってできるだろう。心から言葉をつむぐとき、歌は命を持つのだと感じる。
これは以前も読書感想に書いた、俵万智氏の『アボカドの種』という短歌集で書かれていたものである。
作品を書く過程で自分の中を掘り下げて、嫌だったことや楽しかったことが作品の中になんとなく出てくるところが面白いので、やはりAIと違って、自分の頭の中で紡ぎ出して書いている過程が楽しい。
確かにそれはそうだと思う。
しかしながら、AIも意外と悪くはないという感想を持つ作品を見つける。
『自由』をテーマにした、AIの短歌である。
『自由』と呼ぶのはきみがきみのためにつくる小さなケージだけど
『自由』と定義してしまうと、それが枠組みになって、それ以上やそれ以外の自由は見えなくなってしまう。
自由の意味をむしろ定義することが、自由の意味を狭めているのではないだろうか。
こうした気づきを与えてくれるのも、AIによるもの。
AIも意外に侮れない。