最近小説を読む時間が絶望的に減少している気がします。
なんとか時間を見つけて本を読みたいと思うのですが、電車の中でも結局仕事で疲れちゃって、ウトウトしてしまう。
電車の中でも、本を読んでいる人がかなり少なくなった気がします。
間が空いたとしても、こうして言葉をアウトプットする習慣は何としても継続していきたいと思っています。
本日は、何とか時間をかけて読み終えた、カズオ・イシグロ氏の作品、
『忘れられた巨人』
の感想を書きたいと思います。
舞台は中世におけるブリテン島。アーサー王伝説を下敷きとした、独特の世界観や景色が展開され、当初はその背景を理解するのに少し時間がかかりました。
そのブリテン島には、記憶を忘れさせる奇妙な霧が存在していました。
主人公は年老いた夫婦の、アクセルとベアトリス。
この老夫婦も奇妙な霧により、記憶が定かではなくなってしまう。
しかしその中、実在したかどうかもあやふやな息子の存在を求めて、二人は旅に出ることから物語は始まります。
登場人物も様々登場し、アーサー王に仕えていた老騎士、鬼にさらわれたところを助け出された傷を負った少年、魔法使いや僧侶など、それぞれの人物描写もなかなか複雑です。
これは『信用できない語り手』によって話が展開するのに加え、登場人物たちの記憶もハッキリせず、正直読んでいて内容が分かりにくくなってしまうようなことが、理由にありました。
ただ、最終的に読み終えると、なんだか不思議な気持ちで心地よくなったのを覚えています。
話が分かりにくくなってしまったので、途中ネットで整理されたサイトを参照しながら、読み進めました。
―ここにあるのは優れて現代的な問いかけである。
と、週刊文春2015年6月18日号で、生物学者の福岡伸一氏が述べていたそうですが、この『忘れられた巨人』というものが、そもそも何なのか。
それを考えると、確かに福岡先生のおっしゃっているような、何か根源的な現代に対するメッセージ性を感じずにはいられませんでした。
ある程度、読者の想像力に自由を持たせているような作品かもしれません。カズオ・イシグロ氏の作品の中では、個人的にやや難解だと思いましたが、読んでよかった作品だと思いました。
