欧米を代表する超有名な知識人、マイケル・サンデル氏とトマ・ピケティ氏。その2人の対談本だということで、書店ですぐに目を惹かれ購入しました。
本書は、日本だけでなく、世界でも大きな議論のテーマとなっている『不平等』について、2024年5月20日にパリ経済学校で対談した内容を編集したもの。
時には両者において熱く激論が交わされ、社会制度の在り方について熟考させる内容でありました。
特に印象深かったのは、ドナルド・トランプや、マリーヌ・ルペンのような右派ポピュリストに対して、左派が行ってきた行動を痛烈に批判する部分でした。
私は決して右派ポピュリストを肯定する立場ではなく、政治スタンスとしては左派に属するものです。
ただ、そんな左派に対し、
『単に右派ポピュリストを攻めればいいというものではなく、政権を握る左派や中道左派の政党は、自分たちがどんなふうに国際主義とグローバリゼーションを普通の人たちから確実に嫌われるものにしてきたかを認識すべき』
と痛烈に批判するピケティ氏の発言は、とても正鵠を射ているものだと感じました。
不平等を解決する方法に関しては、各国で様々な議論があると思うので、本書に示された方法が、そのまま日本にシンプルに通用するとは限りませんが、少なくとも、
『累進課税や再分配の倫理的土台は、アイデンティティ、帰属意識、成員意識、共同体意識、連帯感の問題と切り離すことができない』というサンデル氏の主張に全面的に賛成します。
人が人と出会ってともに過ごす市民インフラの構築、これは日本においてもより大事になっていくのではないでしょうか。
そのように感じました。
