―物事の受け取り方は人によって違うし、何通りもある。
本年もどうぞよろしくお願いします。マイペースに読書を続けていきたいと思います。
今年最初の読書感想は、昔から読ませていただいている、伊坂幸太郎氏の作品、
『ペッパーズ・ゴースト』
という作品。
主人公の中学国語教師の壇先生は、くしゃみや会食などで誰かの飛沫を浴びると、その人の翌日の未来を見ることができる。
それと並行して、猫を虐待するネット配信を支援していた人たちを特定し、その人々に対して罰を与えるネコジゴ・ハンター。
小説を読み進んでいくうちにそれぞれのストーリーが交錯し、主人公たちは大きなテロ事件に巻き込まれることになる。
新型コロナウイルスによって日常的に耳にした、ネガティブな意味合いを持つ『飛沫感染』という事柄に、エンターテイメント性を与える伊坂氏のセンスが素晴らしいと感じました。
一見すぐ思いつきそうなシンプルな事柄だが、こうしたものをエンターテイメントに昇華するのが本当にセンスがあるなあと、尊敬しています。
また、個人的に印象深かったのは、作品の中でニーチェの哲学が引用されている部分でした。
自分も学生時代、ニーチェ哲学に傾倒し、あだ名がニーチェだったことがあります。
しかしながら、自分が倫理の授業を高校で受けた際、ニーチェはナチスに利用されたということを学んでいました。
当時の倫理の先生は、ニーチェ哲学にはそうした暴力的な本質を含んでいる、とやや否定的な感想を述べていたことを記憶しています。
でもそうした批評がありつつも、あの若いエネルギッシュな大学生時代、ニーチェに惹かれたのは事実でした。
小説の中でそうしたニーチェの哲学が引用されているのをみて、そうした過去の記憶が蘇りました。当時伊坂幸太郎氏の小説に出逢ったこともあり、何かのご縁を感じずにはいられませんでした。
今後も大好きな伊坂幸太郎氏の作品を読んでいきたいと思います。
