お疲れ様です、スナフキンです。
個人的に、自分の人生の羅針盤としている偉大な哲学者は何人かいるのですが、今回はその中でも特に人間味があって大好きな、ショーペンハウアーの解説書に関してご紹介したいと思います。
―運命がカードを切り、私たちが勝負する。
ショーペンハウアーによれば、人生はいつも思いどおりにはならず、ぎりぎりの勝負の連続であると説く。
我々がこの社会で生きていくための原動力は多くの場合、欲望である。欲望があるからこそ、それがかなわない時の挫折があり、苦しみがある。
ショーペンハウアーが述べているのは、
『人生は本質的に苦しみ』
であるということ。
そして筆者も述べている通り、ショーペンハウアー哲学を読む意義は、人生の勝負からいったん離れ、人生とはそもそも何なのかを客観的に考えることができるような、哲学的な思考空間を頭の中にしつらえることができることにあろう。
哲学を学ぶことすべてに通じることかもしれないが、こうした事が非常に有意義なものであろう。
ショーペンハウアー哲学は、大きく2通りの哲学概念として説明することができる。
ひとつは、生きる苦しみと向き合い、苦しみの源泉にほかならない欲望を否定し、エゴを超えていこうとする、〈求道の哲学〉としての概念。
もうひとつは、そうした欲望にまみれた、生きるのが苦しい世界においてでも、ユーモアを交えて人生の指針を考えるヒントを与える〈処世の哲学〉としての概念。
この二つの思想概念を理解することが、ショーペンハウアー哲学を学ぶ醍醐味だと言える。
しかしながら、筆者も巻末で述べているが、『人生は本質的に苦しみである』ことを理解することと、そんな人生の中でも、今の自分の幸せをかみしめることは、決して対立することではないと思う。
欲望にまみれてしまうと、それは無限のものであり、追求し続けても幸せになることは出来ないかもしれない。
しかしながら、そうした事実を認識し、本質を捉えた先には、欲望とは無縁の、生の充足感があるのではないかと感じる。
哲学を学ぶ醍醐味はそんなところにあるのだろう。