お疲れ様です、スナフキンです。
先週のことになりますが、上野の東京国立博物館で特別展として開催された、
『ポンペイ展』
を鑑賞してきました。
紀元後79年、ヴェスヴィオ火山の噴火により、火山灰の下に埋もれてしまった悲劇のローマ帝国の街ポンペイ。
古代ローマ半島の南部ナポリ近郊にあったこの街は、1748年に発見されて以降、発掘が進むにつれて多くの貴重な情報が解明されてきました。
本展はポンペイから出土した多くの資料を所蔵するナポリ考古学博物館の協力のもと、日本初公開を含む約150点もの作品が紹介されています。
最終的にはローマの植民市になった都市なので、もちろん帝政ローマの時代詳細が分かる貴重な名品に出逢えます。
ただ、個人的にワクワクしたのは、それだけではありません。
ポンペイが都市として大きく発展したのは、前2世紀のサムニウム人の時代。その際に東地中海世界との交流が活発になり、ポンペイにもヘレニズム文化が根付きました。
(ヘレニズム文化:アレクサンドロスの東方遠征後成立した、オリエント的要素とギリシア的要素の融合した文化のこと。主な担い手は都市のギリシア人でありギリシアの影響が強いが、民族の枠を超えた世界市民主義的性格も持っていた。)
帝政ローマの征服により、次第にローマ化していく中でも、ギリシアやヘレニズムの文化が色濃く反映されたポンペイの社会、そうした重厚的な歴史の魅力を感じられたことが、非常に印象的でした。
中でも、ポンペイ最大の邸宅であった『ファウヌスの家』における、
『アレクサンドロス大王のモザイク』
の超大作が、ポンペイの街で発見されたということが感動。
前333年のイッソスの戦いで、東方遠征を前年に行ったアレクサンドロス大王が、アケメネス朝のダレイオス3世を破ったことで有名なこのモザイク。世界史の資料集にも良く載っているこの作品がこちらで出土したことは初めて知りました。
本作自体は映像のみでの紹介にはなりますが、2021年1月末からナポリ国立考古学博物館で修復作業が始められているということです。
歴史を肌で感じ取ることのできるミュージアム見学は非常に楽しいものです。
コロナ禍が続きますが、感染対策に気をつけながら、今年も積極的に足を運んでいきたいと思います。