お疲れ様です、スナフキンです。
前回に引き続き、今回も自分が百人一首で印象的に覚えている和歌を紹介したいと思います。
ただ今回は、二作の紹介です。連続で紹介したいと思います。
〈第40番〉
忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
(平兼盛)
(訳:誰にも知られないように包み隠してきたのだけれど、ついに顔に出てしまったようだ、私の恋心は。「あなたは何か物思いをしているのですか?」と人が尋ねるほどに。)
〈第41番〉
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
(壬生忠見)
(訳:恋をしているという私の浮き名が、早くも世間に広まってしまった。誰にも知られないように、ひそかに心のうちだけで思い始めたばかりなのに。)
40番、41番と連番での紹介ですが、最近になって、この二つは切っても切れないエピソードがあるのを知り、余計に印象深い和歌になりました。
個人的には、自分が中学3年生の1学期、古文の授業で最初に扱われた2首だということもあり、非常に強く覚えていたのですが、当時は2首が強く関連しているとは知りませんでした。
2首の有名なエピソードとは、村上天皇の内裏歌合で、平兼盛と壬生忠見が、和歌を競ったという話。
二人の歌が詠じられ、判定が下るというとき、判定者の藤原実頼は甲乙つけがたい二つの歌を前に、判定がつけられなかったという。
そこで村上天皇に判断をゆだねたのだが、その際、天皇が小さい声で、
『忍ぶれど・・・』
と兼盛の歌を口ずさんだために、兼盛が勝者となり、壬生忠見は敗れたショックでやがて死んでしまったという。
実際のところ、死んだというのはさすがに作り話らしいのですが、それほどまで壬生忠見が悔しがったということです。
和歌に関する造詣に関しては、自分は素人だし、後出しジャンケンみたいですが、実際のところ、自分も、『忍ぶれど~』の和歌の方が、選ぶとしたら好きかも知れないです。
最初の言葉に、分かりやすい語句の『恋』よりも、『忍ぶ』という言葉で始まる方が、想像力を喚起させる気がするのですが、皆さんはいかがでしょうか?
百人一首を読み返すと、また新しい発見があります。また今後も色々紹介していきたいと思います。