この方の著書を読むのは非常に感慨深いものがあります。
今回紹介する『働き方5.0』の落合陽一氏は、自分の母校開成高校の一つ上の先輩。実際の直属の先輩だったので当時のことを鮮明に覚えていますが、まさかあの先輩がここまで有名になるとは思いもしませんでした。
そんな感慨に思いを馳せながら、恥ずかしながら初めて筆者の著書を拝読させていただきました。
働き方5.0~これからの世界をつくる仲間たちへ~(小学館新書)
非常に含蓄のある、まさに今の我々が必要とするヒントがちりばめられていました。今回も印象に残った点をピックアップ。
新型コロナウイルスによる社会情勢の変化によって、リモートワークが盛んになってきた。
⇒これにより、『やるべき仕事』がおのずと抽出されてきた面がある。
また、機械に仕事を奪われる一方、機械では代替されにくく、付加価値の高い能力を持つ人材もますます強く求められるようになった。米国の社会学者リチャード・フロリダは、こうした付加価値を提供できる人のことを、『クリエイティブクラス』と呼んでいる。
【これからの時代を生き抜くために何をすべきか】
IT化により資本主義のあり方は激変したが、その根本は変わっていない。
⇒『誰も持っていないリソースを独占できるものが勝つ』という原理。
米国経済学者のレスター・サローは『知識資本主義』の中で、『暗黙知』を持つものが、これからの資本主義世界で戦うことが出来ると主張している。
暗黙知:誰も盗むことの出来ない知識のこと。
つまり、情報がシェアされる時代に自分の価値を高めるには、誰も持っていないリソースを持つことが大事。
⇒分かり易く説明すれば、教科書を読んで勉強するのがホワイトカラー。一方、自分で教科書を書けるぐらいの専門性を持っているのが、クリエイティブクラス。
【5つの問い】
『自分が何を研究すべきか』、『何の専門家として生きていくのか』をわかっている人間は、それだけで有利なポジションになる。
それをどうやって見つけていくかが問題になるが、常に5つの問いを立てて考えるべき。
①それによって誰が幸せになるのか
②なぜいま、その問題なのか。なぜ先人たちはそれができなかったのか。
③過去の何をうけついでそのアイデアに到達したのか。
④どこに行けばそれが出来るのか。
⑤実現のためのスキルは他の人が到達しにくいものか。
上記の5つにまともに答えられるのなら、それには価値があるということ。
『人間の価値』は、将来を見据えて考えないといけない。
大事なのは、『言語化する能力』、『論理力』、『思考体力』、『世界70億人を相手にすること』、『経済感覚』、『世界は人間が回しているという意識』、『専門性』
⇒小さなことでもいいから、『自分にしか出来ないこと』を磨き、作っていくことが大事。
今後も落合先輩の活躍に注目していきたいと思います。