職場の同業の先生で、自分以上に非常に読書家な方がいらっしゃるのだが、今回はその先生との会食の際、是非読んでみてくださいと貸してくださった本の紹介。
著者のラッセル・コンウェルは、南北戦争で北軍に従軍し、その後弁護士、牧師、ジャーナリストとして活躍しながら、フィラデルフィアのテンプル大学を創設者で初代学長になった世界史の偉人。
本書は米国で、『聖書に次いで多くの人に幸福をもたらした』と言われる古典的な名著として、非常に高い評価を受けている。
恥ずかしながら、このラッセルという人物を、今回この本を紹介するまで知りませんでした。
世界史を学んできたつもりでも、自分が知らない歴史上の人物はもっと多くいるのだろうなあと、非常に自分の視野の狭さを痛感してしまいました。
自己啓発本は多種多様で、見方によっては非常にプラスにもなれば、中毒になりすぎた結果方向性に迷ってしまうこともあり、そうした本に対する取り扱い方は注意しないといけないと思っている。
ただ、ここまで色あせない名著だと、そこには人の心を強くつかむ、何物かがあるのではないかと感じる。
時代を超えた自己啓発本を読む際には、『さあ、これを読んで自己啓発するぞ』と言うよりも、
『この本が支持されている理由、読者の琴線に触れる部分は何なのだろうか』
という点を意識して読むようにしている。
そこに人生の先輩たちが成長活躍できるヒントがあるかも知れないから。
本書を読んで魅力的に感じたところをいくつか紹介する。
1.お金を儲けるのは悪いことではない
・お金そのものは悪いものではなく、お金の使い方に良い・悪いがある。
⇒お金の使い方は、その人の心のあり方によって決まる。
・『お金を儲けること≠金銭を愛すること』
正しくお金を使う人は、世の中に多大な貢献をすることが出来る。その人が正しい心を持っていれば、お金を儲けることは立派な行為になる。
2.お金持ちになれない原因は自分自身にある
・人間の価値は、その人が受け取るものによって決まる。世の中は、その人が値するものだけを、その人に支払う。
・利益が出ないほどの値段でものを売るのは、不当に高い値段でものを売ると同じくらい、悪いこと。
持てるものを人々に分け与えながら、自分の権利や利益を尊重し、同時に他人の権利や利益を尊重することが大切。←これ凄い共感!
3.ビジネスに必要なのは資金ではなく頭脳
・とにかく人々のニーズを把握せよ。人々が必要とするところに、自分の力やお金をつぎ込めば、成功することは間違いない。
・お金を儲けるのに必要なのは、心のあり方。大切なのはやる気と目的。
平凡な能力を、大きな目的に向かって最大限に生かせばよいのだ。
1冊で100ページ超のコンパクトな本なので、小一時間で読めるし、内容も非常にシンプルで分かり易い。
結局多くの人に支持されるのはシンプルなものなのだと思う。人からおススメされた本でしたが、とてもタメになりました。