友人が買って読んでいたので、借りて読んだ堀江貴文氏の本。
インターネットと言う、従来の『垂直統合モデル』とは異なった、『水平分業型モデル』の台頭に伴い、現在では産業ごとの壁が崩壊してきていると堀江氏は説く。
そんな時代に、一つの仕事に囚われず、フットワーク軽く動いていくことが、仕事を楽しみ、人生が充実して価値ある者を生み出せるようになると説明されている。
なるほど、大いに共感する。
インタビューの内容を文章にした本なので、様々なジャンルで持論を述べているが、今回も自分の中で印象に残った部分を紹介していこうと思います。
1.三つの肩書きを持てば、自分の価値は1万倍になる
元リクルートのトップセールスマンで、現在は教育改革実践家として活躍されている藤原和博さんが、『レアカードになる方法』を唱えている。
まず、1つのことに1万時間取り組めば誰でも、『100人に1人』の人材になる。
ここで軸足をかえ、別の分野に1万時間取り組めば、『100人に1人』×『100人に1人』の計算により、『1万人に1人』の存在になる。
そしてさらにもう1つのことに取り組めば、『100人に1人』×『100人に1人』×『100人に1人』=『100万人に1人』の人材が誕生する。
このようにして『レアカード』を習得することで、自分の価値は1万倍になるという。
個人的なキャリアに関してこの方程式を当てはめると、一つは歯科医師としてのカード、でもこれでは『100人に1人』のカードなので、これからの将来で、そのカードの充実をしつつも、何か他の分野で1万時間の努力をすれば、『1万人に1人』の存在になるということだろう。
せっかくなら経済学部のキャリアを生かしたいと思っているので、やはりこれからの自己投資は、経済関連の投資になるとは思う。
モチベーションが改めて上がってきました。
2.教養なき者は奴隷になる
堀江氏の言う教養の定義とは、『表面的な知識やノウハウとは違い、時代が変化しても変わらない本質的なこと』のことを指す。
教養なき者は、『今』という時代の変化に振り回され、目の前の仕事をこなす歯車で終わってしまう。反対に教養があれば、ジャンルを横断する『原液』なるものを生み出すことができる。
堀江氏自身も、表面的な情報やノウハウだけを身に着けるのではなく、気になった物事があれば歴史の奥まで深く掘って、本質を理解することが大事と説いているのには説得力があった。
彼自身、多くの社会的影響力のある出来事を経験したからこそ、本を読み続け、本質を探ろうとしているのだろう。まだまだ自分は未熟な身であるが、客観的に物事を俯瞰して見つめるようにはなったかな、とは思う。
3.永遠の3歳児たれ
『多動力』は大人になるにつれ失われていく。未知なるもの、新しいことに興味がなくなったとき、老いが始まる。いつまでも3歳児のような好奇心を持って生きていこうと、堀江氏は述べている。
まあ、確かに、仕事柄3歳児と触れ合うことが多いが、彼らはマジで飽きっぽい。でも瞬間的な好奇心は人一倍強く、そうしたエネルギーには感心させられる。
大人になるにつれ身につけるはずの分別や自制心を、良い意味で持たず、無分別でストッパーを外して生きていきたい。その結果、誰もが考えもしなかったイノベーションを起こすのだ。
ディープラーニングの分野は驚くべき速度で開発が進んでいるらしく、数年前の修士論文に書かれてたレベルの内容を、今は機械学習によって15歳の中学生がたった3日間で完全に理解が出来るという。
となると、資格を持っているとか、高学歴であるといった過去の積み重ねはあまり意味をなさず、今学びたいと思う意志さえあれば、すぐに身に着けることが出来るという。
個人的には、資格や学歴の優位性といったものは日本の国民性上、多少は残るかもなあ、とは思うが、基本的にはマインド次第でいくらでも自分達の知識や技術はグレードアップしていくのだろう。
まさに、気持ち次第で大きく格差も広がっていくのだろうな、と思う。