久しぶりに本を読んで爆笑してしまった。
好きなお笑い芸人は何組もあるけれども、ナイツもその一組。
・漫才は『しゃべくり漫才』と『コント漫才』に分かれ、『しゃべくり漫才』のルーツは関西。
落語には東の『江戸落語』と西の『上方落語』と、東西両方にルーツがあるのに対し、漫才には西野『上方漫才』はあっても、東の『東京漫才』と言うのは存在しない。
つまり、漫才は『上方漫才』のことであり、『しゃべくり漫才』のこと。漫才は今でも西高東低なのだと。
ナイツ塙氏はこう本書の中で言い切っている。すごい見識眼だなと思ってしまう。相当に研究を重ねているっていうのが分かる。
また、最近の自虐ネタに関する風潮に対する厳しいコメントも秀逸だ。
-漫才師は、ネタで、自分達の世界観を作り出すことが出来るわけです。その機会を自虐ネタで終わらせてしまうのはもったいないと思います。(P.61)
上沼恵美子氏も、『自分をさげすむってことは、基本的にはウケない』ってことを辛辣に批評している。←説得力がある。
これは自分も日常的に痛切に感じていること。
自分の特徴を自虐的に捉えるのではなく、自己アピール、武器として貫き通せばそれは非常に人間性として評価される。
日常でも他者の特徴を上手く表現することが大切だと、こうした本を読んで理解する。とても含蓄に富んだ本であった。
-人類が芸術を生み出したのは、言葉では伝えきれない思いを作品で表現しようとしたからです。芸術家が感動したとき、それが『感動』という言葉で足りていたら、絵画も音楽も想像し得なかったと思うのです。(P.72)